薪ストーブの準備は「冬前」ではなく「夏」が基本です
冬が近づくと薪ストーブの準備を始める人が多いですが
実はベストな準備時期は夏です。理由は大きく3つあります
薪の乾燥(含水率の低下)に時間がかかる
良く燃える薪の条件は、十分に乾いていること
理想は含水率17%前後です
伐採・玉切り・割り・積み・養生までを夏に行えば
秋~初冬にかけてしっかり乾燥が進み
着火性・熱効率・煙の少なさが大きく向上します
逆に、秋口に準備を始めると乾燥が間に合わず
くすぶり、煤・タールが増えて煙突詰まりや一酸化炭素事故のリスクも高まります
メンテナンスの待ち・作業性の差
夏はメンテナンス業者の繁忙前
煙突掃除や本体点検、パッキン交換、ガスケット調整、耐火レンガのチェックなどを
予約しやすく、費用も抑えやすい傾向があります
気温が高く乾いている時期は、屋外・屋根上作業も安全かつ効率的
雨天が少ないため内部の湿気残りも防げます
収納・設置環境の整備に余裕がある
薪棚の増設、地面の整地、防草・通気確保、屋根付きラックの設置などは
資材調達と施工に時間が必要
夏なら採寸から施工、試験積みまで余裕をもって進められます
室内側も、炉台や不燃壁の点検、周囲の可燃物配置の見直し
CO/煙探知機の電池交換、消火器の準備などを計画的に実施できます
夏にやっておく具体的チェックリスト!
★薪★
今年使う分+来季分の確保計画を立てる
玉切り→割り→風通しの良い場所で雨よけしつつ高荷台に積む
樹種ごとの乾燥目安を把握(広葉樹は特に時間がかかる)
★本体・煙突
煙突内の煤・タール清掃(ブラシ、ロッド、掃除口確認)
ドアガスケットの摩耗、ヒンジ緩み、耐火レンガの欠け点検
二次燃焼機構や触媒(該当機種)の清掃・交換時期確認
★安全・周辺環境
一酸化炭素警報器・煙警報器の動作確認と電池交換
★消火器の有効期限確認
炉台・不燃壁の破損や隙間チェック、クリアランスの再確認
換気計画(給気口の確保、気密住宅の場合は特に注意)
★ロジスティクス
メンテナンス業者の予約、必要部材の注文を夏のうちに
初火入れの手順・非常時対応の再確認(家族で共有)
★よくある誤解
「薪は買えばすぐ使える」: 未乾燥の薪も流通しています。購入時は含水率計で測るのが確実
「シーズン前に掃除すれば十分」: 夏の乾いた時期のほうが汚れが落ちやすく、作業性・安全性が高い
「少し湿っていても燃える」: くすぶりは熱効率を下げ、煤とクレオソートを増やし
結果的に燃費も安全性も悪化します
★まとめ
薪ストーブは「冬に使う道具」ですが、「夏に整える道具」
夏の段取りが、冬の暖かさ・安全・コストを大きく左右します
夏こそ、薪の確保と乾燥、設備点検、収納整備を計画的に進め、安心して冬を迎えましょう